いま、『自分の心と向き合い、逆境を乗り越えていく』その思想が見直されています。普段は助け合い、高め合いながら稽古を行う同士であれ、試合となると皆ライバルとなり、救いの手を差し伸べてはくれません。稽古で培われた己の精神力を頼りに心に宿す不安や恐怖心をぬぐい去り、相手と競う前に自分自身の心と戦わなくてはなりません。また、稽古は人に対して突く蹴るなどの危険な行為を行います。それは言うまでもなく、日常あってはならない行為です。しかし、今の世の中どのような非日常的危険が潜んでいるかも知れません。そのような局面に遭遇した際、極度の緊張と恐怖で冷静に対処できないものですが、非日常的稽古を日々行うことにより、万が一危険な局面に遭遇した状況でも、冷静に対処できるようになります。大切な人を守り、自分で安全を確保する、強い精神力は必要不可欠です。